小説内でのオリジナルの表現方法とその使い方 | 小説の書き方講座

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小説内でのオリジナルの表現方法とその使い方

「表現する」という意味について

小説での表現方法は基本的に「自由」だとされていますが、だからと言って決して「どんなものでも良い!」というわけではありません。

 

少女の頬が郵便ポストのごとく朱色に染まった。

 

さすがにこれでは変ですよね?
いくら赤く染まったことを表現したいにしても、少女の柔らかい頬が赤く染まることを、無機質な郵便ポストの色として表現してしまっては、せっかくの「印象」が伝わりません。手触りや見た目の可愛らしさも考慮して「桃色に染まった」「リンゴが色づいていくがごとく、徐々に赤みを増していった」などの果物に例える方が、愛らしく伝わりますね。美しさと恥ずかしさの度合いを含めて「夕日のように赤く染まった」や「桜色になった」としても良いでしょう。

 

では赤くて可愛らしい、もしくは美しい印象のものならば、この場合どんなものでも表現方法として適切なものになるのでしょうか? みなさんも、ちょっとここで赤いものを想像してみてください。
さくらんぼ、イチゴ、うさぎの目、ルビー、ステンドグラス……安易な発想ばかりで申し訳ありませんが、私が頭の中に思い浮かんだ「可愛らしい」「美しい」印象の赤はこんなものです。一目瞭然だとは思いますが、少女の頬が赤く染まるという表現に、いくら「可愛らしい」とはいえ、うさぎの目は似合いませんね。ではその他はどうでしょうか? ちょっと書いてみましょう。

 

■ 少女の頬がさくらんぼのように赤く染まった。
■ 少女の頬がイチゴのように赤く染まった。
■ 少女の頬がルビーのように赤く染まった。
■ 少女の頬がステンドグラスのように赤く染まった。

 

さてどうですか? 私としては、どれも表現として少々足りない気がします。では何がどのように足りないのか、詳しく説明させていただきます。

小説内でのオリジナルの表現方法とその使い方

まず、さくらんぼとイチゴについて。

桃、リンゴ、いちご、さくらんぼ、マカロンのように、見た目にも可愛らしい「赤」をイメージさせるには、スイーツや果物などを使うのがピッタリだと思います。
使用する場合には、例えば「頬がリンゴ色に染まった」とするよりも、もっと可愛らしさを強調するために、大きさを付け加えてあげると良いです。

 

■ 少女が頬をほんのりとさくらんぼ色に染めた。
■ 少女の頬がポッとイチゴ色に染まった。
たったこれだけのことですが、「ほんのり」という言葉を付け足しただけで。「ポッ」と付け加えただけで。表現の印象が適切であるかのように感じられると思います。

 

 つまりこれが、「表現する」ということ。

 

ただ闇雲に「〜のような」を多用して、何か別のものに例えさえすれば、それが「表現」になるというものではありません。色、形、手触り、見た目の印象、大きさ、その物から連想するイメージ……など、様々なことを考慮して書き表すことこそが「表現」なのです。

 

■ 少女の頬がルビーのごとく輝いた。
単体では不可思議に感じるこの表現も、前後に文章を書き加え、少女が「ものすごく喜んだ」「とても喜んで笑顔になった」という意味を含めて使用すれば、適切になるでしょう。

 

■ 少女の頬が、ステンドグラスからこぼれる月の光のように、ふわりと赤く染まる。
このような使い方をするならば、ステンドグラスも表現の一部として役に立ちます。この場合は「美しい」という他に「優しい」や「柔らかい」というイメージも与えられるので、清楚な少女の照れを表現するのに使えそうですね。

 

何かを表現する時は、例えとして使用するものを、どのような場面で、どのように使用すれば、より効果的にイメージを伝えられるかを考えましょう。
オリジナルの表現を使用する場合は、それらに注意しつつ考えてみてください。上記のように、少女の頬の赤みを表現するだけでも、これだけのパターンとイメージがあります。いいえ、きっともっとあるでしょう。人の知識はそれぞれ違います。「赤い」と認識しているものも、それぞれに様々出て来るでしょう。違って良いのです。違って当たり前なのですから、自信を持って表現に用いるものを選択してください。きっとあなただけの表現方法を編み出せますよ!

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