時間の流れをハッキリさせることが、読者を迷わせないコツ | 小説の書き方講座

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時間の流れをハッキリさせることが、読者を迷わせないコツ

小説内での時間の流れは遅くも早くも自由自在

時間軸とはつまり、「過去⇒現在⇒未来」という流れのことを示します。
これは順不同です。
作者のアイディア次第で、どのような順番にも出来ますし、「こうしなければならない」という決まりはありません。
少々大袈裟に言えば、長編ならば「現在⇒過去⇒現在⇒過去⇒現在⇒未来」という時間構成も可能だということです。

 

■ 主人公が叩きのめされ、無残な姿に……(現在)

 

■ 何故、このような目に遭ったか、という回想(つまり過去の出来事)

 

■ 何とか立ち直り、再び挑戦を挑もうとする(現在)

 

■ 主人公がボロボロになりながらも、敵に立ち向かう理由(過去の出来事)

 

■ 修行に励む様子と、過酷な試練の数々(現在)

 

■ 敵との対戦に勝利。平和を掴んで、新たなスタートを切る(未来へ向けて)

 

しかし、このように複雑なものでなくとも、「現在⇒未来」だけのシンプルな構成でも良いのです。平和な世界に災いが訪れ、それに立ち向かう主人公たちの物語……という構成は、多くのライトノベルで使用されている時間軸であり、受賞作品の中にも良く見かけるパターンです。
一気に<それから三年後>と書き出して、時間をあっという間に進ませてしまうことも出来ますし、主人公の成長をほぼリアルタイムに書いてゆく方法もありますね。数日でも、一週間でも、一ヶ月でも、小説内では時間を自由にコントロール出来ますから、くだらないところは飛ばし、重要な部分だけを詳細に書く……というのが基本と言えば基本になるかもしれません。

 

シンプルと言えば、同じく「未来⇒過去」の構成でも同じことが言えますね。

実際に自分が経験した物語を、リアルに回想してゆく作品などがこれに当てはまります。

 

 シンプルな時間構成は読者を物語内で迷わせる心配がない。

 

分かりやすいのが一番です。しかしどうしても、少々手の込んだ作品に仕上げたいのであれば、様々な組み合わせを考えてみると良いでしょう。ただし、内容が混乱しない程度にしてくださいね!

 

さて、ここで一つだけ注意点があります。

もしも貴方が、もう何年も執筆を続け、様々な作品を生み出してきたベテラン作家さんであるなら別ですが、もしそうでないのなら。もしもまだ小説を書いて間もないのであれば。決して「未来を飛び越える時間構成」だけは書かない方が良いです。

 

■ 主人公が災いと対決する(現在)

 

■ その後、災いが去り、世界に平和が戻る(未来へ向けて)

 

■ しかしそもそも、何故災いが起こるようになったか、その原因(過去)を明かし、再び災いが再来するのはそう遠くないことを匂わせる(過去の出来事)

 

「過去⇒未来⇒現在」や「現在⇒未来⇒過去」などの時間構成は、ペース配分が大変に難しく、物語の構成がとても困難です。未来という「物語の結末」が間に入ってしまうので、結末を知った上で、さらに面白い仕掛けを後に作ることは大変な苦労とズバ抜けたアイディアを必要とするでしょう。

 

私が何故、わざわざこんな時間構成を紹介するかと言うと、もしもこれを上手にやり遂げられたなら、必ず面白い作品となり、注目を浴びるだろうと思われるからです。

 

いかに数々の賞を受賞してきた作品でも、この時間構成を利用して面白く仕上げた作品は少ないと聞きます。専門学校時代にも、「一発デカイ賞を狙うなら、この構成で面白くなるものを考えろ」と講師に言われました。

 

みなさんがデビューしてからでも良いですが、何か面白い時間構成はないかな? と悩んだ時にでも、思い出していただけると幸いです。

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