役立つ! 名前にも使える! 様々な辞典 | 小説の書き方講座

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役立つ! 名前にも使える! 様々な辞典

さて、文章を書くにあたり、必ず必要になってくるのが辞書です。

ここで言う辞書とは勿論、電子辞書や辞典類のことであって、パソコン上でかな漢字変換時に出て来る辞書機能のことではありません。今は電子辞書という便利なものがありますが、種類が少ないので(国語とか和英がメイン)、やはり書籍としての辞書を数冊持っておきたいですね。
辞書の引き方については、特記することは何もありませんが、「分からなくなったら辞書に訊け」が鉄則!!と、専門学校で教わったのは紛れもない事実で、自分が辞書を引きやすいように工夫する必要はあるかもしれません(気になる部分に付箋を付けるなど)。

 

辞書は100%分からない……つまり、知らない言葉を調べるだけではありません。たとえ90%は大丈夫だと思っていても、残りの10%に自信がない時には必ず辞書に手を伸ばすよう心掛けたいですね。「ん? ちょっと待って。これって、こういう意味として使っていいんだよね?」……と、少しでも不安に感じたらスッと辞書に手が伸びる――というのが理想的。

 

 日本語には「正書法」がないと言われています。

 

正書法というのは、言葉をどう書き表すのかの決まり、とでも言えばいいかしら。ところがそれが一つに決まらないのが日本語なのです。少し例をあげましょうか。

 

■ おくそく  憶測/臆測
■ しさい   仔細/子細
■ せりふ   台詞/科白/白/台辞/分説/道白/説白
■ いいなずけ 許婚/許嫁/言名付/許配
以上はどれも二種類以上の辞書に載せられている表記、

つまりどの書き方も正しいのです。

ただし常用漢字による制限などのデファクト・スタンダード(事実上の統一基準)というものはあり、「いいなずけ」なら「許嫁」か「許婚」。「せりふ」なら「台詞」か「科白」のどちらかになりつつあります(それでもなかなか一つには決まらない)。
勿論、読み方は同じでも、用途が違う漢字もたくさんあります。例えば、訪ねる(場所・地域を訪問する場合に使用)と、尋ねる(人に聞く、問う場合に使用)のように。分かっていても、分からなくても、とにかく辞書を引く。漢字を確認する。意味を確認する。漢字の表記にこだわりを持つことは、文章を操る作家ならではだと思います。

業界によって、使っている辞書が違う理由とは? 各辞書の特徴

表記とは違い、意味の定義=語釈が辞書によって正反対になる――ようなことはさすがにありませんが…

辞書にはそれぞれ個性があります。

 

一冊ごとにすべて違う語釈が載っている。そのため、業界によって、「人気の辞書」というものが存在するのは確かです。
例えば新潮社から出ている国語辞書は、古典から近代までの文芸作品執筆者向けに作られていると言われています。そのため、翻訳者や作家など、言葉にこだわる人たちに人気がある様子。
三省堂は現在通用している言語を重視して新語の収録が早いため、“今日派”(ジャーナリスト、雑誌編集者)などに愛用者が多いらしい。この辞典の表記を基準としている出版社も多いようです。

 

私は「広辞苑」と、これら二つの辞書、合計三冊を常に手元に置いています。辞書は言葉の宝庫! 読書の変わりにぺらぺらとめくって読んでみると、以外な言葉が新発見できます。そして「これはこんな場面で使えそう」と感じたら、即メモ! 漢字と読み方と意味をノートに書き写すのです。ネタ帳の端っことかでもいいんですよ!(笑)。そうすると、小説執筆中に「あ!こんな場面に使えそうな言葉があったっけ!」と思い出す事もあり、思わぬ表現力UPに繋がったりします。

 

 辞書を読むのは無駄ではありません。

 

絶対に読め!とは言いませんが、語彙の乏しさに悩んでいるようであれば、今後の勉強のためにも是非、おすすめします。

 

いきなり語彙(ごい)の知識量が飛躍的にUPする人気の辞典

辞書を読め……などと、言ってはみるものの……

 

辞書を読むことを習慣付けるということは、いきなり出来るものではありません。それに、いくら日ごろから辞書を読み、勉強していたとしても、使いたい時に思い出せなければ意味がありませんよね?
そこで、手に入れたその日から大変役に立つ辞典をご紹介したいと思います。

 

 それが、講談社の類語大辞典です!

 

この類語辞典の凄いところは、即日、大幅に語力をUPさせることができるということ!
例えばキャラクターの容姿や仕草などの表現として良く使う「美しい」という言葉。「もっと他に何か良い表現方法ないかなぁ〜」という時に、この辞書で「美しい」を引きます。すると……
綺麗・美麗・秀美・美妙・流麗・典麗・壮麗・善美・妖美・艶美などはもとより、優美・優艶・優雅・秀麗・端麗・佳麗・瀟洒(しょうしゃ)などなど(とても書ききれないのでこの辺でやめますが)、動詞、形容詞、形容動詞、名詞、その他に分けられて、様々な表現があるわあるわ……どんどん出てきます!
もちろん意味も載っているので、自分が今使いたいと思う表現に最も似合うものを選べばOK! また、よく使う表現の部分にはポストイットを貼っておき、「美しい」などと書いておくと、再度必要になった時、便利に使えます。

執筆におけるすべての疑問を解決してくれます!

これは辞書ではありませんが……

現役出版社の編集者がメルマガで開いている「文章上達スクール」というものが、書籍として出版されています。
「文章上達スクール」とは言っても、文章技術について書いてある本ではなく、執筆時におけるさまざまな疑問点を読者からいただき、プロの編集者がQ&Aの方式で答えていくもの。

 

例えば、文章を膨らませるとは、具体的にどういうことを言うのか? 味のある文章ってどんなもの? 切り口って何? 早く書けることはいいこと? 雑誌の編集とはどんな仕事? 言葉を大事にするにはどうすればいいの?など。
素人が文章を書くときに、つい気になってしまう些細なことから、ライターになるにはどうすれば良いかなどのリアルな話まで、本当にたくさんの様々な業界情報がぎっしりと詰まっている本です。正直、これを読めば、文章の書き方スクールを始められると思うくらいの知識がつきます(笑)。現在3冊発売されており、1冊が相当に分厚いですが(4センチはある)、読み応えもあり、ためになる素晴らしい本ですよ!

 

知的さをアピールできる、故事成語

これは辞書ではなく一般書に分類され、多くの出版社から様々なものが販売されています。

 

■ 月下氷人<げっかひょうじん>

(男女の仲をとりもつ人、結婚の媒酌人、仲人のこと)

 

■ 臥薪嘗胆<がしんしょうたん>

(目的を遂げるために努力したり、向上を求めて苦しい鍛錬を自分に課したりする意味で用いられることが多いが、もともとは復讐を遂げるために辛抱したりすることとして使われていた)

 

■ 塞翁が馬<さいおうがうま>

(人生では吉が凶となったり、不幸が福に転じたりして、何が起こるか分からない。だから安易に喜んだり悲しんだりするものではないということ)

 

「故事成語」と聞いて、ピンとこない方もいるかと思うので、良く目にする事例をあげてみました。このくらいなら、何かの本で目にしたこともあるでしょう。中国から渡ってきた言葉たちです。知っていると秀才キャラや理屈っぽいキャラを描くときにも重宝します(笑)。勿論、通常表現として用いると、文体がキュッと引き締まりますよ!

 

あと、私がよく使っているのが、
■ 色名事典
■ 世界のワイン事典
■ 薬事典
■ 香水事典
■ チーズ事典
■ 赤ちゃんの名前辞典
これらはすべて「ネタ用」事典です。キャラの名前に使ったり(あるいは考えるために使ったり)、地名に使ったりしています。車種名が載った事典も欲しいのですが、なかなか見つからない(泣)。事典コレクターになりそうで怖いです。でも、すごく使えます。色を見ているだけでイメージが沸いて、キャラが出来上がることもあるくらい。薬の名前や効能もイメージをかきたてます。しかしこれらはあくまでも、私個人が「いいな」と思って使っているものなので、貴方は貴方に合った事典・辞書を探すと良いと思います。

 

辞書は作家にとって必須ですからね!