小説の書き出しでどのくらいの読者を引き込めるかが勝負 | 小説の書き方講座

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小説の書き出しでどのくらいの読者を引き込めるかが勝負

読み出してすぐに、物語に興味を持ってもらうことが重要です

 

物語の書き出し、一行目は、ラストの一行を書く時と同じくらい気合を入れてください。

 

■ 一行目は読者の興味をひきつけることに集中する。
■ 五行目までに主人公の簡単な紹介を終える。
■ 十行目までに「誰が、どこで、何をしている」のかを明白にする。

 

上記三点を徹底せよ、と専門学校では教えられましたが、賞を獲っている作品の中にこれらの条件をクリアしているものはあまり多くありません。しかし、所謂「王道ファンタジー」と呼ばれ、大賞を受賞する作品の多くは、書き出しがこの条件と酷似している場合が多いように感じられます。これらの条件を守ったからと言って、必ず良い書き出しになるとは限りませんが、まったく使えないデタラメ情報というわけでもないようです。
しかし「書き出し」の部分だけを例に挙げると、初心者の誰もがやってしまいがちなパターンというものが存在します。

 

 まずは一行目から「死」を扱うパターン

 

確かに一行目でインパクトを与えるには、誰かを殺すことが有効でしょう。しかし「死」というものは、それだけで重大な事件であり、大きな出来事となります。これは重大な事件であるから人目を惹くのであって、決して貴方の文章力に惹かれて読者が物語に食いついたわけではありません。しかも、最初から「誰かが死んでいる」というような書き出しをしている小説の多いこと、多いこと。正直、掃いて捨てるほどあります。要するに、ありきたりな書き出しだと言う事。

 

それに、最初から「死」を扱う文章を書くと、物語の中で「死」が軽視されてしまいがち。これではラノベを読むのが初めての読者は獲得できても、ラノベ慣れしている読者たちには通用しません。応募作品としても同じことが言えます。初心者が飛びつきやすい、ありきたりなネタの書き出しでは、審査員の心を動かすことなど出来ません。

 

 次は一行目から「戦闘シーン」を使うパターン

 

これもインパクトを与える作戦としては、もはや安易すぎます。緊張感を感じさせることも確かにインパクトに繋がりますが、これも「死」と同様、使用する初心者が多すぎるのが現状です。よほど上手いネタを考えて、戦闘の他にも「面白い!」と思わせるようなものを取り入れなければ、現代のラノベファンたちの心を掴む事は出来ません。

 

また、初心者が書く戦闘シーンには「擬音語」が多いのも敗因の一つですね。――ビュッ! シュバッ! 「ぐはっ……」「くぅ!」こんな擬音語や台詞を書いた覚えはありませんか? 物語のクライマックスならまだしも、誰が敵で誰が味方かも分からない書き出し部分にむりやりコレを押し込まれても、読者は「え? 何? 何が起きてるの?」と困惑するだけです。その疑問を晴らそうと数ページ読み進めますが、それは単なる訓練だったとか、夢だったとか、回想だったなんてオチがあればなおさら怒り狂うか、がっかりすることでしょうね。戦闘シーンを上手に書くには少々練習が必要なので、冒頭から使用するのは避けた方が安全です。

 

小説の一行目というものは、筆者のアイディアを凝縮する場所です。それは必ずしもインパクトを与えるだけの場所ではなく、読者に疑問を持たせる場であったり、驚かせたり、笑わせたり、ニヤリとさせたりする場所だと考えてください。決して重大な事件だけを書き記す場所ではありません。「心に残る文章を書く」のが目的の場所です。それこそがまさに「インパクト」だとは思いませんか?

 

ただし、勘違いしないでくださいね。

 

一行目は必ずインパクトのあるものでなければいけない……というわけではありません。平凡な生活の平凡な始まりであっても、決して悪くないのです。
ただ、私が何故「インパクト」を強調して説明しているかと言うと、「もしも自分が読み手だったら」ということを考えた時、私ならやはり「インパクト」を求めるからです。皆さんも自分自身が読者になることを考えてみてください。ネット上で溢れに溢れている小説を読む際、何を基準にして読み始めますか? それまでに読んだ人たちの感想を頼りに、面白そうな作品を選ぶというのも確かに有効な方法ですよね。でもはやり一番は、冒頭が面白いか面白くないかで決めるのではありませんか?

 

私たちはあくまでも「小説を書く側の人間」ですが、その前に「一読者」でもあります。自分だったらこんな言葉に惹かれるし、読みたいと思うな、という冒頭を書くことは他の読者にも有効だと言えます。是非、オリジナリティに溢れた一行目を考え出してみてください。

 

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