起承転結を使わないストーリー作りのコツ・5 | 小説の書き方講座

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起承転結を使わないストーリー作りのコツ・5

ペース配分の仕方・章の分け方

さて、小説を書く下準備もいよいよ大詰めを迎えました。次はメタプロットの作成に入りますが、そのためには一つ、やっておかなければならないことがあります。

 

 それはペース配分です。

 

応募作品には必ず○○枚までという規定があります。その範囲内にストーリーがきちんと収まっていなければなりません。したがって、作品のどの部分でどの程度の枚数を消費するのかを、あらかじめ定めておく必要があります。その目安が決まっていなければ、余計な場面を書いてしまったり、本編とは外れた話になったり……と、ストーリーが蛇行してしまいがちです。
最初から、「○○枚までにこの場面を終わらせる」と決めることで、余計な寄り道を省いてしまおうというわけです。

 

まず、ストーリーを大きく三つに分けましたね。

そう。I=導入部、D=展開部、C=終結部です。
では、次にそのストーリー全体が一体、何章から成り立つものなのか考えてみてください。どこからどこまでが、プロローグで。どこからが第一章で。どこからを第二章とし。どこから第三章が始まって。どこを第四章とするのか。勿論、もっと章があっても良いです。最終的に何章になるのか把握してください。

 

章の分け方に悩むようであれば、思い切って「文章練習1」「文章練習2」に戻ってみるべきです。章の中身は一つの文章と同じく「一つの主題」で統一されています。主人公が村を飛び出すまでを一章とするなら、飛び出した後に起きた出来事その1が二章になりますし、出来事その2が三章になるでしょう。この章分けは何も「区切りが良いから」付けているわけではなく、村を飛び出すという主題を終えたから一章が終わり、その後の出来事その1という主題を終えたから二章が終わり、そして出来事その2という主題が終わったから三章も終わるのです。

 

ストーリーは文章の集まり。少し長くて大きいからと言って、何も得たいの知れないものになっているわけではなく、文章は文章。一行しかない文章構成との違いなど、長さより他はありません。文章の「主題」を見抜き、分かりやすく整える技術は「文章練習1」「文章練習2」でしっかり行ったではありませんか。あなたにもきっと、的確な章分けが出来るはずですよ!
ちなみにこれは参考までに……ですが、これまでに発売されてきた電撃文庫の章数は、およそ六〜八章構成だったものが多いです。勿論、大きく四つに区切ったシンプルなものもありましたし、8より多い章構成だったものもあります。しかし単純に考えて、応募規定枚数は最大で130枚なのですから(電撃の場合は)、一章を十数枚として、六〜八章構成にする方が、テンポ良く話を進められたのだろうと私は考えています。

起承転結を使わないストーリー作りのコツ・6

さて、ここでは章数を決めることが出来たと仮定して、次の説明に移ります。

では次に、その一章ごとに費やす、具体的な枚数を決めておきましょう。各章一つ一つに書かれているストーリーは違います。重要だと思う場面にはより多くの枚数を割かなければなりませんし、そこを多くする分、どの章の枚数を少なくするのか考えなければなりません。
そして、考えると分かってくるはずです。

 

 余計なものを書くスペースなど、少しもないということに。

 

しかしそれでは、何かあったとき、咄嗟に身動きが取れなくなります。場面を書いている途中で、それまで気が付かなかったキャラの本心が伝わってきた。どうしても書きたい。しかし残り枚数が少なすぎる。さてどうする?……という事態に備えなければならないというわけです。
ゆとりを持たせる枚数はストーリー全体で10枚もあれば充分でしょう。つまり、予備として10枚残しておく。差し引いた120枚で、各章のペース配分を考えるというわけです。こうすれば、「うわ、ダメだ。枚数内に収まらない…」となっても、2〜3枚はみ出したところで問題はありませんし、ワンシーンにつき2〜3枚あれば、書くのに充分な長さなので心配はありません。
では、章分け、及び、ペース配分を考えてみてください。

下準備最終段階・メタプロットの作成

章分け、ペース配分が終わったら、やっとメタプロットの作成に取り掛かれます。

貴方が考えた物語はストーリー全体を見て、I・D・C。さらに細かく見ると各章で構成されています。では、その各章の中身がさらにI・D・Cで成り立っているか、きちんと文面に書き出して確かめてください。
I=誰が D=何をして C=どうなる ということを当てはめ、一つ一つの章がさらに細かい構成できちんと成り立っているか確認するのです。そうすることで、ストーリー内に矛盾が起きていないかチェックすることが出来ます。
ここまで、このサイトを順番に読み進めてきた方なら、もう「小説を構成するコツ」について気が付いているはずです。読み飛ばしてきた方の為に、ズバリ言ってしまいますが……

 

 たった一行の文章も。段落も。章も。物語全体も。すべては「I・D・C」で成り立っているのです。

 

すべてがこのI・D・Cできちんと構成されているならば、物語は揺らぎなくまっすぐに進むでしょう。でも勘違いしないでくださいね。ここで言う「まっすぐに進む」とは、ストーリーにメリハリもなく、ただ直進して終盤に向かうことを指しているわけではありません。「一つの物語として成り立っている」ということを表現しています。あとは貴方のアイディアと文章力で、ストーリーはどんどん面白くなりますよ!

 

初心者がいきなり小説を書き始めて挫折したり、失敗したり、結末までいけなかったり、それから応募する賞を勝ち取るどころか一次審査すら通過出来ないのは、小説を書く前の下準備をすべて省いているからです。何事にもはやり順序というものがあります。小説は読者にメッセージを伝えるための頭脳戦なのですから、緻密に策を練る必要がありますよね。

 

焦ることはありません。よくよく自分の作品と向き合い、じっくりと配分を考え、細かくI・D・Cを書き出して、メタプロットの作成をすると良いでしょう。焦ったところで、決して良い作品は生まれないのですから、ひと手間かけることをお忘れなく。

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